往診先の患者さん宅で、「先生は薬も持ってきてくださって、こんな親切な先 生はそうはいない。」と出入りしているヘルパーさんにいわれた話を聞きました。僕にとっては往診して、「じゃあ薬はあとで取りに来てください。」では ”動けない患者さんのための往診”という原則上おかしな話で、ましてそこは 老夫婦二人の世帯で、たとえば風邪薬などが追加で必要でも、私かスタッフがあとで届けるようにしています。
これは医師としてというよりも、健康な人間として病んでいる方を助けるという、ごく当たり前のことだと思います。逆に思ったのは、そんなことが”珍しい医者”と言わしめてしまうほど、今の医療は親切さを欠いているのかなと思いました。 確かに今は医療の世界も厳しく、つぶれていく開業医の先生、中小病院は多々あります。
しかしだからといって、受診した患者さんに二日分の薬しか出さないとか、こと整形においては意味のない人にまで脅かしてリハビリに毎日通わせたり、明らかに経営を主に考えてやってもいいのでしょうか。そうせざるを えない制度の欠点もあるのでしょうけれど、こんな今だからこそ医者も生活を節制して、その分誇りを貫いていただきたいと思います。
私は”人を幸せにできる幸せ”って大切だと思います。こんな不景気にオマエはのんきでいいよな とか、やっぱりお坊ちゃんだとかいう人もいるでしょうけど、こんな今だからこそ医者の原点、人としての原点、これを守っていかなくてはと思います。
開業してすぐ、正月に門松を立てたら投書をいただいたことがあります。「この不景気にお宅はなんて不謹慎なんだ。」というものでした。毎年父の代から 同じ業者さんにお願いしていることなので、逆にやめたら業者さんにとって痛手になるので無視しましたが、本当に日本は最悪の状態なのでしょう。私ががんばれば、私が成功すれば周りに救われる人がいる。そして”人を幸せにできる幸せ”という言葉をお金より貴重な糧にしていれば、必ず患者さんはその医者を選ぶはず。
今年も相変わらずつまらないことに時間を費やしている政治家には期待しないで、周りの人を幸せにする幸せのために、汗をかいてがんばっ て乗り切りましょう。
そろそろインフルエンザが流行りだしてきています。患者さんはすぐにインフルエンザの検査して特効薬を使った方がいいのではと言ってきます。しかし薬 にも副作用という物が必ずあります。特にインフルエンザの内服薬は、今年出たばかりの薬ですのでやたらと使うのはどんなものかなと思います。マスコミの恐怖心をあおる報道と、詳しすぎる医療情報番組のおかげで、医師の力量は関係なくなってきています。この検査をしてこの薬を出してくださいでは、医者はいらなくなっちゃいます。
もうちょっと、テレビよりお医者さんを信用してくださいね。