新聞を筆頭に、発掘あるある大辞典、おもいっきりテレビなど、メディアが医療情 報を発信して、一般の人にとって医療がかつてとくらべて身近になってきました。
実 際我々がみていてもためになることも多く(そんなことではだめ?)、とても良いこ とだと思います。その中でも最近特に気になるのが、コレステロールの数値です。
当院の患者さんが以前コレステロールの数値が高く、今度の採血でも高かったら薬 を飲まないとだめかもねなんて話をしてあって、今回もいざ結果を見てみたらやっぱ り高い。そうしたらすかさず新聞の切り抜きを私にみせて、「先生、コレステロール の数値は220から240までが長生きできて、280までは治療の必要がないんで すよ。」と得意げに言いました。
確かにその記事の内容はそうでしたが、その中には 悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロール(150以上が危険域)のことは 何も書いてありませんでした。”総”コレステロールの数値の中には善玉、悪玉とが あり、一見コレステロールの数値が高くても善玉がおおくて悪玉が少ない人もいます。
そういう人は経過観察でもいいでしょう。しかし逆に、コレステロールの数値が一見 正常値でも悪玉がやたら多い人もいます。主治医によく聞いてみてください。
それから副作用恐怖症の人。他院から当院に血圧が高くて通いはじめた方がいます。 以前からコレステロールがものすごく高くても、なぜか治療をしていなかったので、 治療の必要性をはなしたら、「先生、副作用がでないと断言できますか!」と、なぜ か怒ってしましました。
薬は多かれ少なかれ”毒をもって毒を制す”部分があり絶対 副作用のない薬なんてありえません。新聞にはコレステロールの治療薬で黄紋筋融解 症(筋肉がとけるように挫滅すること)、なんて載ってます。
ただ成人病で倒れるの と、黄紋筋融解症になる確率はおそらく「天文学的数字倍」位の差で倒れる確率の方 が高いでしょう。メディアを信じるのもいいでしょう、でも一人一人病気は違うのだ から、もうちょっと昔のように医者を信じましょう。
医者に言われたことが、間違いであって欲しい、くすりなんて飲みたくない、それ は誰しもが思うことです。しかし、みのもんたは責任をとってくれません。メディア はあくまでも一般論を述べているだけです。コレステロールが240でも若くして心 筋梗塞をおこした人、医者の言うことをきかなくて脳梗塞で倒れた人。そういう経験 から医者は患者さんを”心配して”治療をすすめるのです。
我々だって薬を飲まない で治ればこれほどうれしいことはないのです。主治医の言うことは聞きましょう。