健康コラムNo2

 

 最近、ますます医療事故報道が過熱してますね。医者も人間です。 人の身体を扱う限りは少々の行き違いがあっても、医者と患者さんのお互いの信頼が あれば許し合える部分があってもいいとは思います。しかし最近は、それでは済まさ れない程のひどい事例が後を絶ちません。被害にあわれた患者さん、御家族の気持ち を考えると本当に胸が痛む気持です。

 杏林大学病院でのわりばし事件は、みなさんも記憶に新しいと思います。病院側は、 あくまでも現代医療では見抜くことは困難であったとの主張を貫いています。実際に 現場のお医者さんから、「あれだけたくさんの患者さんが一晩に来ればそう思うのは 仕方がないのでは?」という御意見もありました。

 しかし、医師の職場環境がかわって、たとえば一晩に5、6人程度の患者さんであれ ばああいった事件はおきないのでしょうか?現代医療の限界をとなえる医師が自分の 家族も同じ目にあったときに、本当に納得するでしょうか?

 発想を全く逆にして、あの事件で犠牲になられたお子さんが出たことに対して、結 果論からして、我々医師にどこか落ち度があったのは間違いないとまず謝罪をして、 「こういう経過で、この部分でこの検査をしていればわかったのに、この症状からこ う判断してしまった、これは結果論だが、こちらにも非はあったと思う。本当に申し 訳ない。」こういう見解であれば、多少は世論も違ったろうにと思います。

 たとえば 同僚の医者の子供さんが同じ目にあったならば、担当医師は、おそらく謝罪から入る と思います。

 厚生省の薬害エイズ問題で、当時の菅厚生大臣が素直に非を認め、原告に謝罪して から急展開に事件は解決の方向にむかいました。別に謝る、謝らないを論じているの ではなくて、立場上、医療の現場では弱者である患者さんを、なんで医師は思いやり で包んであげれなくなったのでしょう?

 横浜市立大学病院の患者取り違い事件、新潟での左右の乳房を間違って切除した事件、手術台に寝ている人が自分の親でもこれらの事件はおきたのでしょうか?忙しいから、疲労が溜まっているからという言い訳もわからないではないし、改善 できるものならすべきでしょう。

 しかし、その前に、もうちょっと我々(ドクター) は、相手を肉親と思って接するくらいの相手に対する思いやりが欠けているのではな いかと思います。これだけsolidになっている今の世の中だからこそ、思いやりとあ たたかさが必要であり、生命の最前線で戦える立場にある我々医師は、その立場にプ ライドと、謙虚さを兼ねそろえるべきであるのではないかと思います。

 毎日診療していて思います、最近患者さんの目が厳しくなってきてるなあって、、。

 


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